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尋常性乾癬の治療

 乾癬とは皮膚の炎症と表皮(皮膚のいちばん外側の層)の新陳代謝の異常の2つの側面を持つ病気です。銀白色の鱗屑(皮膚の粉)をともない境界明瞭な盛り上がった紅斑が全身に出る疾患です。乾癬の患者さんの90%位がこの症状です(尋常性乾癬と呼びます)。大きさ、数、形は様々で、発疹が癒合して大きな病変を作ることもあります。できやすい部位は慢性の機械的な刺激を受けやすい頭部、肘・膝、臀部、下腿伸側などです。

 

 成人に発症することが多く、多発しますが、通常、内臓を侵すことはありません。かゆみは約半数の方にみられます。爪の変形や関節炎を伴うこともあります(乾癬性関節炎)。まれに発疹が全身におよぶこともあります(乾癬性紅皮症)。その他、喉が痛んだ後(扁桃腺炎)に雨滴状の小さな乾癬皮疹ができる滴状乾癬、重症の汎発型性膿疱性乾癬があります。

 

 治療は通常、外用薬(塗り薬)からスタートします。外用薬はステロイド外用薬、ビタミンD3外用薬が主に使われますが、各々、特性が異なります。内服薬(のみ薬)としては、レチノイド、シクロスポリンが主なものです。これに紫外線療法を加えた3つ(外用療法、内服療法、光線療法)が基本的な治療法です。

 

 2010年からは、これらの治療法で十分な効果が得られない場合や、副作用などで使えない場合には抗体療法という新しい治療が使えるようになりました。アダリムマブ、ウステキヌマブ、セクキヌマブ、イキセキズマブ、ブロダルマブ、グセルクマブ(皮下注射)、インフリキシマブ(点滴注射)などがこの治療に該当します。抗体療法を行う場合は認定施設で副作用(肝炎・結核などの感染症)に関わる検査・評価を行う必要があります。

 関節炎が強い場合は、痛み止めの飲み薬を使います。また発疹の程度にかかわらず関節炎に対し、注射薬や内服薬を使う可能性が高くなります。

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